日別アーカイブ: 2009年1月18日

西松建設の裏金問題、政治献金の内幕は脱法行為


西松建設と政治家との関わりが日ごとに明らかになってきた。

こんな大事な問題をなぜ、テレビメディアが問題にしないのか本当に不思議だ。

サンデープロジェクトは、竹中VS金子という、かみ合わせの悪いガチンコ討論とかをやっていたが、いまさら、過去を振り返ってどうするのだろうという企画だった。

金子勝が経済提言などできるわけなく、今まで環境に目もくれず、環境破壊のお荷物だった米国のオバマのグリーンニューディールをもてはやすあまり、日本がどれだけ環境関連産業に力を入れてきたかを認識しない、底の浅さが目立った。

しかし、竹中氏は決してぶれませんね。強いわこの人。金子氏の言いがかりにも明快にデータを示して、反論を重ねていた。

残念だったのは、金子氏がTBSのサンデーモーニングの域を出ていなかったこと。あそこは、ぬるい雰囲気で、持論に反論するような論客はいないわけで、小泉・竹中構造改革が悪いとか、新自由主義が悪いとか、ステレオタイプのお気楽な意見をいえば、耳になじんでいるので、納得するからだ。

残念ながら、サンプロはそういう場所ではない。田原総一朗氏は、いいかげんな奴には、結構突っ込むので、金子氏の提案力のなさを結構つついていた。

ただ、いずれにしても、すでに過去の話。

そんな話をしている間に、経済不況は確実に進む、大転換ができるかどうかは、政治家の手にかかっているわけで、処方箋をお持ちでないなら、テレビで、思い出話をするのはやめてもらいたいと思った。

竹中氏がおもしろいことを言っていた。1929年に起こった大恐慌では、米国の経済成長率はマイナス13%、失業率25%までいった。日本は、埋蔵金50兆円を使い切るぐらいの覚悟が必要だと。

私もそう思う、政府通貨でも、なんでもいいから、ジャブジャブお金を配ってデフレスパイラルから脱出する以外にないだろう。もちろん、旧来型の公共投資ではなく、職の確保と、富の分配、そして、過去に借財を残さない方法で。

世界もそれを待っている、どこかの国が弁を反対に回せば、流れが変わる、それは日本なのかもしれない。

そんな時期に起こった「西松建設の政治とカネ」。

公共事業の親玉、しきり役の小沢民主党党首が牛耳る、ゼネコンと公共事業の関係をあきらかにしないと、日本の復活はあり得ない。本来なら、サンプロは、ここにこそメスを入れるべきで、未だに小沢民主党の政権奪取を願っているとしたら、お門違いの命取りになると私は、思うのだが。

渡辺喜美氏が、自民党は旧来の自民党に戻ってしまったといって嘆いていたが、一番旧来型自民党を背負っているのは、小沢民主党だよね。たぶん、彼が一番わかっているとおもうけど、だからあえて、第三極をつくり、民主党との連携を公言していないことからよくわかる。

民主に傾いていた江田けんじ氏を引き寄せ、公務員批判の急先鋒、屋山氏、そして、主権型地方分権を唱える江口氏というメンバー構成からも、決して、このユニットが民主党と連携することは考えられない。そこをマスコミは見誤って、自民党分裂の危機ばかり報じており、どうも違和感があるなぁ。

それより、西松やマルチに絡んで、民主党の若手議員は、果たして動揺していないのか、この問題については、どう思っているのか、聞いてもらいたいものだ。民主党の国会における急な軟弱ぶりをみると、かなりの危機感をもっているとみたが、果たしてどうだろうか。

http://www.kosonippon.org/temp/071017seijisikin2.pdf  ← パーティーが小沢党首の資金源。支出についても事務所費比率が突出、また、ここにはない借入金・利息返済額の比率が3割あると指摘されている。

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「西松」幹部にパー券購入依頼、政治家「隠れみの」認識か

 準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)が二つの政治団体を使って企業献金をしていた問題で、政治家側から政治資金パーティー券を購入する際、本社や支店の幹部らが窓口になっていたことが分かった。

 政治家側はパーティー券に番号をつけて管理しているケースが多く、後で政治団体から購入代金が振り込まれても、同社への販売分だと分かる仕組みになっていたという。政治家側も西松建設が政治団体を隠れみのにしていたことを認識していた可能性が出てきた。

 西松建設はOBを代表にした政治団体「新政治問題研究会」(1995年設立)と「未来産業研究会」(99年設立)を通じ、解散する2006年までに献金やパーティー券の購入費など総額約4億7800万円を支出。このうち、両団体名義で購入したパーティー券は9000万円前後に上る。

 複数の同社関係者によると、同社は本社の役員や支店長クラスの幹部らを、国会議員や自治体の首長の窓口にし、パーティー券の購入要請を受けていた。政治家と同郷、同窓の幹部が担当になるケースもあった。元幹部は「自分が担当した政治家の場合、秘書がパーティー券を会社へ郵送したり、自分の所へ直接持ってきたりした」と明かす。

 政治家側から購入要請を受けた幹部らは、パーティー券の枚数と金額を同社総務部に文書で連絡。最終的に同部が購入する枚数を決め、政治団体の代表である西松OBが代金振り込みの手続きをしていた。

 一方、政治家側はパーティー券にあらかじめ番号を割り振って管理しており、西松建設の担当者に対して、パーティー券と一緒に、番号を記載した振込用紙を渡すケースが多かった。指定口座に政治団体名義で代金を振り込んでも、振込先にこの番号が伝わるので、政治家側は西松建設に渡したパーティー券の代金とわかるようになっていた。

 西松建設の元幹部は「ある国会議員の秘書から『新政治問題研究会からの振り込みになっているが、券の番号によると西松建設に配ったものではないか』と尋ねられ、『それはうちだ』と答えた」と証言。また、「担当した政治家の秘書に、『二つの政治団体が振り込んだのは、西松建設の金だ』と説明したこともある」と語った。

 総務部が購入枚数と金額を決めていたのは、複数の幹部が同じ政治家側から別々にパーティー券購入を依頼された場合、政治資金規正法が定める一つのパーティーあたりの購入限度額(150万円)を超過する恐れがあり、調整する必要があったためだという。

 04~06年の政治資金収支報告書に、二つの政治団体のいずれかにパーティー券を購入してもらったと記載していた政治家や派閥などの政治団体は少なくとも12あった。読売新聞が西松建設と両団体の関係を知っていたかを取材したところ、「全く知らなかった」「収支報告書に記載した通り」などの回答だった。

 同法は、他人名義でのパーティー券購入や代金の受け取りを禁止している。

 東京地検特捜部もこれまでに、両団体の代表者の自宅を捜索し、西松建設の献金の実態を調べている。

(2009年1月18日04時00分  読売新聞)

 

幹部「現社長が設立主導」  脱法献金の西松建設政治団体

 準大手ゼネコン西松建設がOBを代表とする2つの政治団体を通じ、脱法的な政治献金をしていたとされる疑惑で、同社の元幹部が東京地検特捜部の調べに「現在の国沢幹雄社長が団体設立を主導した」と説明していることが16日、関係者の話で分かった。

 裏金持ち込みの外為法違反事件で逮捕された元副社長藤巻恵次容疑者(68)の両政治団体への関与が既に判明。特捜部は、設立の経緯や裏金が使われた可能性などについて調べている。

 関係者によると、政治団体は元土木営業本部営業管理部長2人がそれぞれ代表だった新政治問題研究会(1995年設立)と未来産業研究会(99年設立)。

 2団体は2006年の解散までに計5億円余りの会費を集め、与野党首脳らへの献金やパーティー券購入で計約4億8000万円を支出していた。

 献金先は土木、建築の各営業本部が指定し、管理本部を通じて総務部に指示、団体側に伝えられた。政治資金規正法で禁止された政治家個人に対する事実上の企業献金が行われていたとされる。

 新政治問題研究会の設立当時、国沢社長は現在の管理本部長に当たるポストに就いており、西松建設元幹部は「団体設立を主導した国沢社長は、脱法的献金も知っていたのでは」と話している。

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鳩子の海のシナリオ作家がテレビ批判 「おテレビ様と日本人」①


メディアのあり方がどんどん商業ベースに堕ちていくなか、手に取った本が「おテレビ様と日本人」。
オーストラリアに移住してしまった、NHK「鳩子の海」の作者、林秀彦氏の新刊だ。
海の向こうから日本の現況を憂い、テレビというメディアの危険性について論じている。
かなり筆致は厳しく、元テレビ人として、反省の上から、テレビの本質的な問題点を指摘していた。
 
ピューリッツァー賞を受賞したヘンリー・アダムスの言
 
ーこの同じアメリカ人は、新石器時代の村落社会よりもはるかに粗野で幼稚な感情と道徳判断のもとに生活し、自分自身、あるいは他のどんな生命に対する人間的な畏敬の念も失い、次の世代の時代には、生の無差別的殺戮に対する石器時代からの禁制や、人類の存続に対する石器時代的敬意の念すら消え去るであろう。
 
を引いて、
 
知性の退化、良心の麻痺。
人類存続への敬意の消滅。
私には、この何よりも人間にとって大切な、なくてはならない、人間が人間である条件を失ったことは、今や誰の目にも明らかなだと思う。そしてその原因は、アダムスが見たように、質の退化と量の増大ちう形で進行したのだ。前々からの私の持論、量の文明が、質の文明を完全に凌駕し、徹底的に駆逐してしまったのだ。
そして、テレビの問題がここで象徴となるのは、まさにその意味においてである。質である番組の内容が、視聴率という量によって抹殺された。
 
と、林氏は結論づける。
安易な実態のない世論調査に振り回され、自分たちも視聴率という数字に翻弄される。まるで、ピエロのテレビ業界。しかし、ピエロは、笑えるが、ピエロがピエロを生み、国民全体をピエロにするとしたら、あまりにも罪深いピエロではないだろうか。
 
彼は、さらに、現在の政治について
 
民主主義政治形態はゲーム化する。すべての人間的な価値は、視聴率が象徴する光学的な数値に置き換えられ、テレビとインターネットが象徴するヴァーチャルな遠隔操作に、人間性は完全にゆだねられるのである。
 
と「第4章ソドムとゴモラのテレビ界」を結んでいた。
 
視聴率競争に躍起になるあまり、自らの存在価値を見失ってしまったようにしか見えないテレビ業界。崖っぷちのテレビ業界の世論誘導に知らずに乗ってしまう日本国民。はてさて、魔は、紛然として起こるというか。解き明かして見ればなんのことはない。そんなものに惑わぬことだとわかる。所詮金儲けのためのブラックボックス。しめしめと金が飛び交う電子の箱に過ぎない。こちらとしては、無料でいただけるなら、おいしいところだけいただけばいい。万が一あればの話だが。
 
ただ、林氏は、それでも私は言いつのりたい。
テレビはあなたの脳を退化させる、と。劣化させる、と。
これだけ言っても、なおかつあなたが、この本を閉じた後、テレビの前にどっかりと座り、ビールの栓を開け、リモコンでスイッチをオンにしたら、ーそれはあなたの勝手なのだ。ただあなたがこの国の殺害者であることだけは確かである。
 
とまでおっしゃる。そこまでと思うが、テレビという現場にいた方の言葉は重い。
 
 

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