「革命の堕落について」を読んで。


毎日新聞の「風知草」に「革命の堕落について」という山田孝男氏の文章を読んで、なるほどと感心した。

ジョージ・オーウェルの「動物農場」。

まさに、民主党政権は、豚の政権だったのかもしれない。

すでに、過去形になりつつあるぐらい、政界再編の動きに国民の期待は向いている。

いくら、民主党の応援団が、「自民党の時代に戻ってもいいのか!」と叫んでも、

民主党の首脳陣が元自民党であることぐらい、新政権誕生以来の所業をみれば、だれでも感づく。

バカじゃないんだから。

ポピュリズムとワンフレーズポリチックスの小泉手法を実は、まねただけの民主党選挙の大勝利。

こんどは、そのポピュリズムがブーメランとして、短い我が世の春にピリオドを打つ瞬間を民衆が楽しみにし始める。

新たな改革の騎手に目移り始めた国民の興味は急速に民主党から離れつつある。

儚いものだ。

 

毎日新聞

風知草:革命の堕落について=山田孝男

 古い「利益誘導政治」の一掃を約束して政権を握った民主党が、いつのまにか、自民党より露骨な「利益誘導選挙」を繰り広げている。

 長崎県知事選のさなか、現地入りした小沢一郎幹事長が民主党系候補への支援を訴えてこう叫んだ。「××君を選んでいただければ、高速道路をつくることもできますっ」

 同じく応援に入った石井一選対委員長が、自民系に投票したらロクなことにはならんゾ、とすごんだ。正確には「そういう選択なら、政権はそれなりの姿勢を示す」と言ったのだが、立派な脅しだ。

 一連の逸話で思い出すのがイギリスの作家、ジョージ・オーウェルの「動物農場」(Animal farm)である。

 ある日、家畜たちが一斉蜂起して農場主ジョーンズを追っ払った。農場は、動物の、動物による、動物のための農場になった。ところが、リーダー格の豚がしだいに力を握り、いつしかジョーンズに代わる暴君にのし上がった--。

 豚の言動をいぶかる他の動物たちが異を唱えるたびに、豚はこう説いた。「ジョーンズが戻ってきてもいいのか?」。この説得は「自民党と官僚の癒着時代へ逆戻りしていいのか?」という民主党応援団の常とう句とよく似ている。

 動物たちの間には「他の動物を殺すべからず」という盟約があった。納屋の壁に書いてあったが、豚はいつのまにか、ペンキで「理由無しには」というフレーズを書き加え、もとの意味をゆがめた。

 豚のこの立ち回りは政権半年の民主党の歩みを思わせる。民主党は衆院選の公約のうち、ガソリン暫定税率廃止を撤回した。子ども手当の支給額を値切った。普天間飛行場の県外移設をあいまいにした。

 「動物農場」は旧ソ連のスターリン独裁体制に対する風刺である。スターリンは今でこそ独裁者だが、オーウェルがこの寓話(ぐうわ)を書いた第二次大戦の末期はドイツのヒトラーをやっつけた英雄だった。

 当時のソ連はイギリスの同盟国であり、イギリスの論壇も世論も社会主義の旗手に好意的で、著者は孤立した。四つの出版社に断られ、五つ目でようやく日の目を見たとオーウェル伝は伝えている。

 「動物農場」の豚は、人間を追い出した翌日から牛の乳をしぼって飲み始めた。オーウェルを好んだ開高健は、この寓話の主題は「一杯の牛乳から始まり、最後は他の動物を殺して食い始める革命の堕落」だと書いている(「今日は昨日の明日」84年筑摩書房)。

 福祉には財源がいる。外交には相手がある。公約見直しが堕落とは限らない。だが、「自民党の利益誘導は悪いが、民主党の利益誘導は良い」という新公約は受け入れられない。「改革のため」「政局安定のため」という詭弁(きべん)に鈍感であっていいはずがない。

 公共事業の予算配分(個所付け)情報を自治体や土建業者に流し、見返りに選挙で支援を受ければ利益誘導だ。先日、自民党より露骨な民主党の情報伝達が話題になった。

 この問題は先週、首相が国土交通相を口頭注意して幕引きとなったが、おかしい。首相は情報を漏らした民主党幹事長室を責めず、このやり方に反対した国交相を責めた。豚の代わりに牛や羊が謝っている。基本が見失われている。民主党の先行きを危ぶむ。(敬称略)(毎週月曜日掲載)

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カテゴリー: ニュースと政治

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