民意とは何か、世論調査に振り回されない民主主義のあり方が問われている。


テレビ局や新聞の世論調査の結果、小沢退陣を要求する「民意」、一転、麻生政見を支持する「民意」の増加。

世論調査の結果で政治が左右されるなら、選挙も必要ないし、政治家もいらない。

直接民主制にすればいいのではなかろうか。

ところが、民意というものがいかにあやふやで、必ずしも正しい結論を導き出すことができないのも誰もがわかる。

国際情勢や財政規律、経済対策など、誰もが判断できる材料と識見を持ち合わせているとは限らない。

だから、気分やメディアの操作で、民意は刻々と流転する。

この間、世論調査と民主主義のあり方を混同するメディアの論調に、国民は翻弄され、政治家も右往左往した。

確固たる政治理念を持ち合わせていても、メディアの攻勢に屈してしまう歴代総理のふがいなさ、

それを逆手にとって、民主党は、支持を集めてきたが、結局、同じ罠にはまり、民主党はあえいでいる。

自業自得といえば、それまでだが、「民意」なるものの、内実をしっかりと見極め、政治家は賢者の判断をすべきだろう。

しかしながら、メディア芸者のごとき、政治家がいるのも事実。

ということは、賢くなるべきは、やはり国民なのかもしれない。

人知れず、国家、国民のために、動いている政治家を支える仕組みをつくらないと、意図的な人々の手に政治権力がわたってしまったときに、

慨嘆していては始まらない。

この一年ぐらいの、国内政治の動向をみたときに、民主主義の危うさを感じる。

そういう意味で、京都大学教授・佐伯啓思氏の指摘は、的を得ていた。 

 

以下、産経新聞

【正論】京都大学教授・佐伯啓思 「民意を問え」という政治暴論

2009.3.30 03:30

このニュースのトピックス世論調査・アンケート

 ≪国民の前に平身低頭だが≫

 3月14日づけの「昭和正論座」に関嘉彦氏の論説が掲載(再録)されていた。初出は昭和50年2月8日とある。30年以上前のものだが、今書かれたといわれても全くわからないだろう。優れた先達の卓見というほかないのだが、また、日本の政治状況は、この30年、基本的に全く変化していないともいえる。

 たとえば、この論説の冒頭で、関氏は次のように書いておられる。「いまの国会に足りないものは率直な議論とユーモアであり、多過ぎるものは野卑な言動である」と。その原因は何か。それは、指導者や政治家が、市民や消費者、労働者、国民、といった目に見えない集団の力におもねり、その力の前に平身低頭しているからだ、というのである。

 まさしくその通りであり、その程度は今日さらに著しい。その結果、われわれは、今日の日本で、そもそも、「政治なるもの」が成立しうるのか、という疑問さえも発せずにはおれなくなっている。

プラトンは、『国家』の中で、民主政は、それが広く行き渡った時、まさに民主政のもっている長所が短所となって衰退する、と述べた。民主政の長所とは人々の自由を大幅に容認することである。だから、民主政の頂点では人々は最大の自由を謳歌(おうか)する。このとき、強力な指導者がでてきて国民に注文をつけると、人々は彼を罵(ののし)りもっと自由を求める。ところが、力のない指導者がでてくると、彼を、つまらぬやつだとののしる。

 結局、民主政の中で登場するのは、「支配される人々に似た支配者」となる。もう少し今日的にいえば、もっとも平均的な国民に似た政治家である。文字通り「国民の代表」としての政治家だ。

 ≪小沢氏の「改革」のより所≫

 ただし、この場合の「代表」とは、たとえばJ・S・ミルが「代議制論」で述べたように、「国民」にかわって、公的事項について大きな判断をなしうる優れた人物という意味ではない。あくまで、「民意に従って動く人物」という程度の意味である。

 ところが「民意」なるものが明確ではない。せいぜい、世論調査の結果である。しかも、今日の大きな政治的論点について、「国民」が確かな「民意」を形成すると期待することは難しい。だからこそ、ひとにぎりの政治家に政治の主導を任せるという代議制が成り立っているわけだ。

 したがって、政治家は、大きく民意からそれることは不適切だとしても、短期的な局面でいちいち民意によって動く必要はないのである。

ところが、「民意」こそがすべてとなってしまった。「民意」を政治に反映することだけが政治のテーマとなった。かくも「民意」を持ち上げたのは1990年代以来の政治改革である。小沢一郎氏が主導した政治改革にはいくつかの面があるが、その中心は、「民意を反映した政治の形成」である。小沢氏の真意は、彼自身がそこに属していた、自民党中心派閥である旧田中派への反感と、自民党の派閥政治の解体であったと思われるが、その際に、改革論がよりどころにしたのが「民意」であった。

 こうして、「民意を無視する自民党」と「民意を反映する改革派」という構造ができる。したがって、今日の改革派である(はずの)民主党の主張はともかく「民意につく」ことなのである。これは困ったことだ。二重に困ったことだ。

 ≪「民意」を動かすのが仕事≫

 第一に、政党の基本的政策が「民意の反映」では意味をなさない。そもそもの小沢氏の提唱した政権選択可能な二大政党などとはほど遠い。第二に、もし「民意」を本当に反映したなら、政治は「民意」とともにきわめて不安定に漂流するであろう。

 今日のような大衆化した社会では「民意」は情緒とスキャンダルと映像的な効果によって大きく動く。そのことをわれわれは小泉劇場でいやというほど体験したのではなかったろうか。

 これは民主党だけのことでもない。政治改革の波と小泉政治によって、自民党も、「民意」の前に平身低頭せざるをえなくなった。「民意を問え」という声は民主党だけではなく自民党からもあがってくるのである。もし「民意」を絶対化してしまえば、政策対立する二大政党は不可能である。どちらも、「民意」につこうとするからだ。

 ところが、この「民意」をめぐる綱引きは、政策論争よりもイメージと人気の争奪戦になるだけであろう。

 麻生政権に対して、「民意を問え」という声が強い。しかし、どの政策を「民意に問う」というのであろうか。今日の政治課題は、民意が反映されていないことではなく、政治を「民意」に預けることで政治家が政治から逃げている点にある。政治とは政治理念を打ち出して、それこそ「民意」を動かす指導行為だからなのである。(さえき けいし)

 

【産経FNN世論調査】「小沢代表辞任を」62% 内閣支持率は上昇

2009.3.30 11:36

このニュースのトピックス世論調査・アンケート

民主党の参院議員総会で、秘書起訴後も代表続投を決めた理由について説明する小沢代表=27日午後、国会民主党の参院議員総会で、秘書起訴後も代表続投を決めた理由について説明する小沢代表=27日午後、国会

産経新聞社は28、29の両日、FNN(フジニュースネットワーク)と合同世論調査を実施した。西松建設の違法献金事件で、公設秘書が起訴された民主党の小沢一郎代表が「代表を辞任すべきだ」との回答は62・3%に上り、秘書が逮捕された直後に実施した前回調査(7、8日)の47・4%を大きく上回った。小沢氏の説明については78・8%が「説明に納得できない」と答えている。麻生内閣の支持率は、20・8%で前回調査から3・8ポイント増え、不支持率は66・3%だった。

 民主党が、小沢代表の続投を容認したことについては「理解できない」が52・1%で、「理解できる」の42・6%を上回った。政党支持率は、自民党が0・9ポイント増の27・5%、民主党は1・7ポイント減の22・2%で前回調査より差が広がった。

 次期衆院選で比例代表の投票先は、民主党が36・4%、自民党が34・7%と拮抗(きつこう)。違法献金事件後も民主党優位の選挙事情は基本的に変わっていないが、民主党と自民党の差は縮まっている。

麻生太郎首相と小沢氏の比較では、「信頼できるのは」との質問に対し、麻生首相は41・0%(前回比8・3ポイント増)で、小沢氏は28・5%(2・9ポイント減)。また、どちらが首相にふさわしいか」では、小沢氏30・2%(0・4ポイント減)で、麻生首相29・5%(6・3ポイント増)とほぼ並んだ。

 麻生政権の評価では「首相の人柄」を評価するとの回答は32・4%(8・4ポイント増)、「指導力」は11・8%(4・3ポイント増)とそれぞれ上昇に転じた。

衆院解散・総選挙の時期は、「今すぐ」が19・5%、「(平成21年度)補正予算成立後の今年前半」46・6%、「9月の任期満了またがそれに近い今年後半」は31・2%だった。

北朝鮮が4月に「人工衛星の打ち上げ」と称してミサイルを発射する動きをみせていることについては、「不安を覚える」が83・2%、「発射に備え迎撃態勢を進めるべき」が81・0%。発射された場合、日本単独でも北朝鮮への制裁を強化すべきとの問いには「思う」が69・9%で「思わない」の22・9%を大きく上回った。

辻よしたかのホームページ

にほんブログ村 政治ブログへ

人気blogランキングへ

ブログランキング  ←できればランクアップにご協力下さい。

広告

コメントする

カテゴリー: ニュースと政治

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中