チェ・28歳の革命を鑑賞。革命とは何ぞや、医師が革命家として立ち上がる時。中村医師の奮闘に学ぶ


最近、医療関係者の方々といろいろ、ブログ上でやりとりしているうちに、医療への関心がにわかに高まってきた。先の一般決算質疑でも市民病院の再編計画や医療機関の在り方などを検討していくうちに、結局、現場の医療スタッフの志で、医療は決まるということを再度確認させていただく機会になった。

現在の医師が追い詰められている状況にあるのはわかるが、緒方洪庵の心のごとく、命というものと真正面から向き合うことの困難さを一人一人の医師が感じているのだろう。白い巨塔の世界はすでに崩壊し、日本の医療の限界を医師一人一人が感じ、がんじがらめになっているとしたら、大変だなぁと思った。

おそらく、厚生労働省の役人が考えるよりも現場の医師の方が、現在の医療制度の問題点について、指摘できる量は格段に違うだろう。長野県などが取り組んできた、当事者による施策立案がもっと進めばいいのだが、日本医師会の弊害は巷間の知るところで、既得権益を守るのではなく、革命的な医療制度再生を志す敏腕医師が活躍できる土壌が必要なのだろうと思う。

ブログのやりとりでも、こんな野卑な市会議員をまっとうに扱っていただいた医療スタッフの皆さんが、医療の在り方を問題意識をもって守ろうとしていることは手に取るようにわかったし、わからず屋の私を説得しようと、ペンをふるっていただいたことに、いたく感謝をしている。

昨日のNHKでは、山村で働く中村医師の特集があった。すべての科をこなす勢いで、患者の面倒を見る彼の姿に心を打たれた。すべての医師が山村に行けということではなく、医のなんたるかを彼は、職業としてではなく、まして労働者としてではなく、一人の人間として行動している姿に私は感動した。

こんな世の中、人を信じることが難しい社会にあって、信じてもらえたことから、彼は、山村で一人働くことを決意したのだ。

長時間運転していて肩が痛いと訴える患者。彼は、肩こりだと診断して、点滴を打って、家に帰した。ところがその後、容態が急変。実はクモ膜下出血であった。彼は、自分を恥じた。重大なミスを犯したと、患者を迎えに行ったその車上で、医師をやめる決意をしたという。普通は耐えられない頭痛が起こるもの、それが今回は肩だった。しかし、診断ミスは診断ミス、彼は自分を責めた。

ところが、患者の家族は、彼を非難するどころか、「誰にでもあることですから、お互い様ですから」と彼を励ましたのだ。「誰にでもあることですから、お互い様ですから」。これほどの励ましの言葉があるだろうかと彼は感謝し、この村で医師を続けることを決意した。

確かに、山村で、あるいは、夕張のような地で医師をしている人ばかりがスポットライトを浴びることに、いささかの不満もあるだろうが、都会にあっても、医師として誇りを失わずに颯爽と仕事をし、批判を莞爾として受け止める、医師が増えるをことを願ってやまない。

そういう意味から、今回、やりとりをしたお医者さんたちとリアルにお話をしてみたいなと思った。そういえば、同級に大阪市立大学の医学部出身の友人がいるが、もう何年も音信をとっていないし、当事者のおはなしをうかがうことが、患者のためにもなるのではと思っている。

 

さて、何か月ぶりかに、映画を観賞した。映画の題名は「チェ 28歳の革命」。バチスタ政権の親米圧政のキューバから民衆を解放するために、カストロとともに立ち上がったチェ・ゲバラ。彼は、医師であり、しかも出身はアルゼンチン。喘息という持病を持ちながら、戦いの指揮も、そして、もちろんけがの手当ても次々とこなしながら、町を攻略、首都ハバナを目指すというところで、第1部は終了した。

革命の闘士として、ヒーローとして決して描かれてはいない、カリスマでもなく、日常的には、淡々とした人格者。ただ、身分によって差別をしない、そしてさせないという高潔な精神は描かれている。医は仁術を身をもって、実現した人物と私は捉えた。確かに暴力革命に対する非難はあるかもしれない、チェは、米国訪問の際に、米国民から人殺しと罵声を浴びせられる。しかしながら、座して、人々が平和の裏で殺されているのを知りながら過ごすのか、その悪を暴きだして、たとえ人殺しと呼ばれようとも、理想社会を目指して革命を起こすのか、この選択は非常に難しいが、彼は後者を選んだ。

世界的な経済封鎖や米州機構からの締め出しにも屈せず、教育制度を充実させ、医療制度を成し遂げた、貧しいけれども誇りをもったキューバの礎を築いたことは、否定しようもない。彼の国の医学部は、なんと無償。金持ちや医者の子弟でなくとも、医師を志せば、国が応援してくれる国。もちろん、医療は無料だ。あの超大国米国が借金まみれで、法外な医療費に死を待つしかない米国民。勝敗はあきらかとなった。

日本は、はたして、どちらに向かうのか。金権、利権、エゴ、訴訟、業者からのリベート、ゴルフ接待、悪徳医師にモンスターペイシャント。お互いが罪をなすりつけ合う負の構造を切り崩すのは、やっぱり、医療の世界においては医師しか存在しえないのではないだろうか?

NHK 仕事の流儀 診療所医師 中村伸一氏

http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/090113/index.html

いい人生やった。その一言のために

病いではなく人を診る

医師・中村伸一が運命の出会いをしたのは、17年前だった。医師になって3年目、京都との県境にある福井県名田庄村(現:おおい町名田庄地区)の診療所にただ一人の医師として赴任。以来、住民たちの命と健康を支え、時には逆に支えられながら、医師として成長してきた。
「日本の原風景が残る山村に恋をし、結婚した」自らと地域との関係を中村はそう話す。
村の気候や風土、暮らしは熟知。患者のほとんどは顔なじみで、家族やご近所の顔も頭に浮かぶ。だからこそ、「人を診る」ことが出来るのである。
症状や痛みを抑えることがすべてという治療ではなく、患者一人一人がいきいきと過ごすためには何が必要かを考える。膝痛に悩まされながらも、グランドゴルフが生きがいのお年寄り。安静を言い渡すより、痛み止めを打ちながら、趣味を続けさせる方を選択する。患者のしこう、趣味、生活、そして人生そのものを知り、共感しているから出来る診断があるのだ。
中村は自らを「名田庄の専門医」だという。地域のこと、そして患者一人一人のバックグラウンドを頭に詰めこみ、患者の人生に寄り添い続けて17年。今では、患者たちが、こう口をそろえる。「中村先生以外は、考えられません」

 

以下、毎日新聞

映画:チェ・ゲバラの生涯描いた2部作 製作、主演のデル・トロ

 ◇時代を超越した倫理観や思想 チェ的な人を勇気付けたくて

 チェ・ゲバラの生涯を描いた2部作のうち、第1部の「チェ 28歳の革命」が全国公開されている。第2部の「チェ 39歳 別れの手紙」は31日から上映。合わせて4時間半の大作だ。製作にかかわり、ゲバラを演じたのは、プエルトリコ出身のベニチオ・デル・トロ。膨大な取材を重ね、体重を25キロも落として革命家になりきり、カンヌ国際映画祭で主演男優賞に輝いた。【勝田友巳】

 第1部は、1959年のキューバ革命に至る闘争と、64年のゲバラの国連総会演説を描いている。第2部では、ボリビアで革命を指導しようとして失敗し、処刑されるまでを追った。

 デル・トロは「初めはボリビア編だけのつもりだった。でも、チェの情熱を理解するには、キューバ編がどうしても必要だったんだ」。興行面の懸念を振り切って、2部作に仕上げた。

 ゲバラの熱烈なファンだったというわけではない。「少年時代を過ごしたプエルトリコの学校でも教わらなかったし、アメリカでも注目されていなかった」という。

 「20歳の時にチェの書簡集を読んで、もっと知りたいと思うようになったんだ。この映画作りの最初の動機だな。それに、チェの生涯は映画的ストーリーでいっぱいだ」

 「でも、映画化はとても難しいと思った。なぜなら、チェについて語るには、ラテンアメリカの歴史を語らなければならないから」。資料を読み、存命の関係者に会って話を聞き、7年にも及ぶ取材を重ねた。

 映画の中のゲバラは、不屈の闘志と粘り強さで、困難な状況に立ち向かう。変節することも迷いもない。

 「チェは組織的に行動し、知的で意志の人だった。不正にあえぐ人たちを助けようと強く思い、小さな努力が変化をもたらすことを確信していた。常に危険の近くにいて、ウソをつかず隠し事もしない。その二面性のなさで、敵からも尊敬されていた」

 「武器を取って戦ったのは、あの時代だったから許された手段だったが、チェの倫理観や思想は時代を超えている。現代にも、チェ的な人はたくさんいると思う。この映画を作ったのは、そんな人たちを勇気付けるためでもあるんだ」

 映画はキューバでも上映された。反応を聞いたら、両手を突き上げて“熱狂的支持”のポーズ。「日本でもそうなるといいね」と笑った。

毎日新聞 2009年1月14日 東京夕刊

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カテゴリー: ニュースと政治

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