米国の悲惨はこれからが本番。サブプライムローンからプライムローンへ、alt-Aまで広がってきた


日本政府は、アメリカがオバマで復活するというような楽観論があるのではないかと、ちょっと心配になってきた。

米国の指標は軒並み、歴史的な下落基調にあり、底打ち感がまったくないわけで、米国の復活というよりは、米国が日本なしで復活することができないことを実感してほしい。

激しくウォルマートなアメリカ小売業ブログで、さまざまな統計が出ているが、日本の不動産も停滞ぎみではあるものの、一度バブルを経験していることから、需給バランスを逸脱することはなくなっており、安心感はある。後は気の問題。

しかし、米国は、明らかに異常な投機バブル。あんなに広大な土地で、わずか3億人しか住んでいないということになると、家の価格は高すぎたのだ。

それも一般人が手を出し、レバレッジによって、新たな借金を重ねる仕組みは、日本では考えられない。というのは、日本なら建物そのものの価値は下がり続けるからだ。

治安も悪く、教育や医療にお金がかかる国の家が何故にあんなに高いのか。アメリカンドリームの虚飾をオバマ黒人大統領で補わざるを得ないという崖っぷちなのだ。

 

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スタンダード&プアーズ(S&P)/ケースシラーが25日発表したデータによると、9月の主要20都市圏の住宅価格動向を示す指数は前年比でマイナス17.4%と、過去最大の落ち込みとなった

 

 

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差し押さえにあったローンの内訳(サブプライム、アルトA、プライム)の円グラフ。左の円グラフが2007年8月、右が2008年8月。全体の15%だったプライム層(赤い部分)が、26%と増加しているのがわかる。

 

以下、朝日新聞

米自己破産は前年比37%増、サブプライムローン延滞率も悪化=信用情報会社

2008年12月25日

 [ニューヨーク 23日 ロイター] 米信用情報大手エクイファクスのデータによると、米国の消費者の間で住宅ローンやクレジトカード、自動車ローンの返済の延滞が増えており、自己破産も増加している。

 11月の消費者信用のトレンドについてまとめた同社のデータによると、同月の自己破産申請件数は13万1672件で、前年比37%増。

 サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)を使って住宅(主な居住場所)を購入した人のうち36.6%が返済が30日以上遅れており、この比率は10月から1.5%ポイント上昇した。

 プライマリーモーゲージ(信用度の高い借り手向け)でも、5.8%が返済が30日以上遅延。遅延比率は前月から0.41%ポイント上昇した。

以下、日経

更新:2008/10/03

明るく自己破産(安藤茂彌氏)

 アメリカに住んでしばらくするとクレジットカードの勧誘郵便が頻繁に届くようになる。VISA、マスター・チャージ、アメリカン・エクスプレス等のカードを銀行、消費者金融会社が売りまくっている。買い物利用限度、借り入れ限度、金利もさまざまである。中には、「あなたの借り入れ限度は承認済みである」と甘い言葉をかけてくる金融機関もある。

 不動産を持っていると、「金利が下がったから借り換えに絶好の時期である」、「今借り換えると月々の返済額は半分になる」、「不動産の価値が上がったのでもっと借り入れできる」、「借り入れをしないのは宝の持ち腐れ、借り入れて大いに生活をエンジョイしよう」等の甘い言葉で勧誘してくる。

 アメリカはいまイラクに膨大な戦費をつぎ込んでいる。そのため国の財政は緊縮財政をしいている。企業の設備投資も増えていない。レイオフは頻繁にあるし実質賃金も伸びていない。そんな中で消費だけは順調に伸びている。米国のGNPを支えているのは消費である。その消費を支えているのは個人の借り入れ増加である。米国の貯蓄率はゼロどころかマイナスである。

 こんなに借り入れて大丈夫なのか?個人の破産件数を調べてみた。2005年はついに200万件を超えて史上最高記録を打ち立てた。200 万件は日本の10倍である。米国の人口は日本の2.3倍なので、これを換算しても日本の4倍以上の件数になる。こんなに破産件数が多いにもかかわらず、借金を苦にして自殺した話など聞いたことがない。

 日本で「破産」というと、主に企業破産を意味する。しかし、アメリカでの破産の主流は個人破産である。2005年の統計を見てみよう。全体の破産件数は208万件であったが、そのうち企業破産は4万件しかなく、残りの204万件は個人破産である。

 シリコンバレーにはいろいろな人種がいる。金銭的に堅実なのは中国人である。住宅ローンを借りて自宅を購入すると、早く借金を返して無借金になろうとする。身軽になると、別の不動産を購入して賃貸する。この借金も早く返済して、次の賃貸物件を購入する。シリコンバレーの賃貸物件を探すと中国人が賃貸人である物件に頻繁に出くわす。中国人がシリコンバレーの地主といっても過言ではない。

 これに対し、白人は賃貸物件の購入にあまり興味を示さない。彼らは自宅を購入した後、その価値をあげることに精を出す。家を改築したり、内装を変えたり、庭を手入れしたりする。自宅の価値が上がったら、それを担保に借金をする。手に入れた資金で改修したり、子供の教育費を捻出したり、生活をエンジョイするために金を使う。こういう人々が「消費大国アメリカ」を牽引している。

 この国には頻繁にレイオフがあるし、絶えず転職を模索している。平均在職期間は2-4年といわれる。レイオフされると収入がゼロになる。失業保険でつないでも最長六ヶ月までしかない。日本人ならこういう事態に備えて生活を切り詰め貯蓄に励む。しかし白人は違う。生活水準を落とすことを嫌う。貯蓄が少なくてもあまり気にしない。実に楽観的な人種である。

 しかし不測に事態が起きると途端に困ったことになる。特に怖いのは病気である。国民の中で健康保険に加入していない人は多い。低所得層の半数以上が未加入である。健康保険は民間企業が運営しているので、保険料が高く低所得者は月々の保険料負担に耐えられないのである。保険に加入していないで、大きな病気をするとたちまち大きな出費が生じる。この国の医療費は高いのである。そうするとクレジットカードが唯一の頼みの綱になる。

 借金を重ねて「借金地獄」に陥ると裁判所に自己破産を申し立てる。自己破産には二種類ある。清算型の「7条破産」と、更生型の「13条破産」である。特に「7条破産」は根強い人気があった。2005年に申請された個人破産の8割は「7条破産」であった。これを申し立てると、クレジットカードのような無担保の借り入れは、簡単に棒引きできる。もちろん自己破産をすると、すべての金融機関のブラックリストに載るので、数年間は借金できなくなる難点はある。

 「7条破産」が申請されると、貸し手側のクレジットカード会社はたまったものではない。そこで、2005年10月に法改正され、州の平均値以上の所得のある人は申請できなくなった。カリフォルニア州の平均所得は約5百万円(4万2千ドル)である。こうした人々は「13条破産」を選ばざるを得なくなった。これだと借り入れを簡単には棒引きできない。借入金の一部免除を受け、金利を減免してもらっても、残存債務を数年間かけて返済していかなければならない。

 2005年の破産件数208万件は、2004年の160万件に比べると大幅な増加である。これは法改正前の駆け込み申請が押し上げたものである。新法実施日の10月17日には、裁判所の前に長蛇の列ができたと言う。今年に入ってから申請件数は前年の1/3の水準で推移しているが、これは新法の厳しさを見極めようと様子見をしているからだと言われる。

 人々が自己破産を安易に選択する背景の一つに、手元に温存できる資産が寛大に取り扱われることがある。多くの場合、自宅を手放さなくて済むし、車も売らなくても済ませる。手元に温存できる資産のことを、免責資産(Exempt Assets)呼ぶ。免責資産がどこまで認められるかは州法によって異なる。

 カリフォルニア州の場合には、独身者であれば約6百万円(5万ドル)、既婚者であれば約9百万円(7万5千ドル)、65歳以上のシルバーでは約12百万円(10万ドル)まで手元に残せる。自宅は市場価値から借金を差し引いたもので評価される。米国の不動産は一部地域を除いて安いし、申請者の多くはこれを担保に既に借り入れをしているので、この範囲内に収まる場合が多い。免責資産の限度は法改正後も変わっていない。

 多くの資産を手元に残しながら、金融機関からの無担保の借り入れをチャラにするか、まけて貰う。これが米国流の自己破産である。ではなぜ金融機関はこんなにリスクの大きい貸し出しをするのか。この国には上限金利規制がない。金利を高く設定することは自由にできるが、高すぎると他の金融機関に乗り換えられてしまう。

 金融機関は借り手の多重債務状況を正確に把握して貸している。個人に貸した金融機関は、その内容を三大信用調査会社に報告する。借り手はここに報告されている借入内容に間違いがあれば、調査会社に修正を求めることができる。金融機関は、この情報をベースに貸出をする。リスクが高いと見れば金利を上げて貸し出す。リスクとリターンの市場原理はうまく作用している。

 日本の消費者金融制度と自己破産制度は米国と大きく異なる。個人の借入情報がすべての金融機関で共有されていないし、借り手が自分の情報を修正する手段もまったく用意されていない。また、未登録の「闇金融業者」が跋扈し、厳しい取立てを行い、時には借り手を自殺に追い込むこともある。米国でも取り立て行為はあるが、そこまでえげつなくはない。自己破産を行えば取立てはぴたりと止む。

 日本の自己破産件数も増加している。この10年間で4倍になっている。自己破産をすることが不名誉であることはアメリカでも同じである。だが、この10年間で認識が大きく変わった。加重債務を一旦はきれいにして再出発することに多くのメリットを見出すようになった。それに対し、日本では「恥の文化」が根強いのと、自己破産の運用が「懲罰的」に行われていることに特徴がある。

 日本でも平成17年1月から新しい破産法が施行されたが、免責資産の規模が一律に99万円以下ときわめて低い。そのために自宅を売却せざるを得ないし、通勤に使っている車も手放さざるを得なくなる。これでは無一文になってしまう。再出発する意欲もわかないのではないだろうか。

 日本もこれからは職の安全が保証されない世の中に変わっていく。格差はあっという間に広がるだろう。安倍首相は敗者復活が可能な「美しい国ニッポン」にすると公言している。だが、こんな制度を温存していては、貧者は益々貧者になる「懲罰国家ニッポン」になってしまうのではないだろうか。

◆安藤茂彌氏◆
 東京大学法学部卒、三菱銀行入行、MIT経営学大学院修士、三菱銀行横浜支店長を歴任。96年に東京三菱銀行を退職、シリコンバレーに渡り、ウェブ上で米国ハイテク・ベンチャーを日本語で紹介するサービスhttp://www.ventureaccess.comを提供中。

 

個人破産 アメリカの経済がおかしい

 

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