再びグレーゾーン金利について正しい認識を!消費者を守る闘いに奮闘した人々。


先日、サンデープロジェクトのとんでも企画「グレーゾーン金利是か非か」について、怒り爆発したが、日経オンラインで、あのサラ金と闘い続けた宇都宮健児氏のインタビューを載せていたので、以下、抜粋する。

さらに、クレジットで崩壊寸前の米韓とサラ金に厳しい判断を下すドイツ・フランスの金利について、株と仕事こっから勝負じゃ!!さんが、執筆しておられたので、掲載させていただきました。

これでも、小林節教授は、グレーゾーン金利撤廃を憲法違反だというのだろうか。どうかしている。

(ドイツ・フランスの例)
ドイツでは、「市場金利の2倍を超える金利は暴利で、無効である」とする判例が数多く出ています。
したがってドイツには金利規制法がないにもかかわらず、消費者金融の金利水準は低く抑えてられて
えてられているのです。フランスでは、フランス銀行が3カ月ごとに市場平均金利を調査・発表し、
これが4/3倍を超えると、暴利貸借利率となり、刑罰を科せられるそうです。
したがって両国には、日本のようなヤミ金融は存在しません。

(一方で韓国・アメリカの例)
金利規制を撤廃し、生活破たん者を激増させた米・韓
アメリカでは1980年代に規制緩和政策の一環として金利規制の撤廃・自由化が進められ、富裕層
には金利低下の恩恵がありましたが、低所得層は逆に年数百%の高利貸し付けや、住宅を担保にする
ような略奪的貸し付けなどに巻き込まれ、社会問題化しているそうです。
韓国でも経済危機後、クレジットカード利用促進政策をとり、金利規制は撤廃したところ、アメリカ
同様の結果となり、夜逃げや自殺も急増。2002年に急きょ規制を復活させたものの、上限金利が
66%とまだ高利であり、日本のサラ金業者の韓国進出もつづくなか、多重債務者問題は解決の糸口
が見えていません。

何が言いたいかと申しますと、この前の記事には「アメリカには上限金利がない」もっと言うと
「規制緩和により上限金利が撤廃された」ここに触れていませんでした。アメリカの場合は年利が
なんと470%だったりします!これ「ヤミ金融」ではありませんよ。日本にも実はアメリカ合衆国
から政府に規制緩和の要望書が郵政民営化と並んで、「消費者金融の上限金利を撤廃せよ」と明記さ
れすでに外圧がかかっている状態です。これはアメリカが自国の金融業者に有利なようにする為です。
保険の規制緩和も外資参入の為にやはり「外圧」が働いていました。これもまた同様です。

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グレーゾーン金利の息の根を止めた男

宇都宮健児弁護士が見た社会の変化

政治・経済 消費者 トレンド 最高裁 社会

 福田康夫首相が「消費者行政推進会議」を立ち上げて検討を始めた消費者行政の一元化構想は、最近になって登場したものではない。その源流は、1989年に日本弁護士連合会の消費者問題対策委員会が中心になって開いた人権擁護大会の決議にある。

 日弁連の消費者問題対策委員会委員長を務めた宇都宮健児弁護士は、多重債務者問題に長年携わってきたことで知られる。たまたま弁護士会の相談窓口で消費者金融から過酷な取り立てに苦しむ依頼者を担当。依頼者の相談には何十社もの業者から借り入れたり、自殺を考えたりといった深刻なケースが多いことに気づいた。多重債務者事件の弁護士報酬は、わずか数万円程度。違法なヤミ金融の背後にいる暴力団幹部らの脅迫電話を受けることもあるにもかかわらず、年間 100件以上の多重債務の相談を扱う。

 99年結成の「高金利引き下げおよび多重債務対策を求める全国連絡会」(高金利引き下げ全国連絡会)や、2000年設立の全国ヤミ金融対策会議の代表幹事などを務めた。2006年の貸金業法改正では、日弁連の上限金利引き下げ実現本部長代行として、金融庁や自由民主党などに強く働きかけ、貸金業法改正を実現した。

 宇都宮弁護士は、利息制限法の上限金利を超えたグレーゾーン金利を原則無効とした2006年1月の最高裁判所の判決が政治の流れを変えたきっかけだと語る。最高裁判決から貸金業法改正に至るまで、司法と政治の双方に起きた変化の背景を聞いた。

(本誌による要約、日経ビジネス オンライン 大豆生田 崇志)

宇都宮 かつての自民党はどちらかというと、業界の意向を受けて業者寄りの法律案を出す傾向があった。しかし行政のあり方を転換する必要があるという声が生まれ、これまでとは変わってきている。消費者行政を一元化する「消費者庁」なんていう発想も、全くなかった。

 政治の流れがかなり変わってきたと思ったのは、貸金業規制法などの改正だ。司法や政治が動いたのは、貸金業者による取り立て被害の実態や、経済生活や借金苦の自殺が急増しているという事実を突きつけてきたからだ。

 2003年頃から、既に多重債務者になった人たちが利息制限法を超える金利で貸し出すヤミ金融に狙われるようになり、自己破産件数が右肩上がりで増加。1990年まで1万件程度だったのが2003年には24万件に達した。全国各地で借金など経済生活苦の自殺者も多発するようになり、1991年まで 1000人台だった自殺者が2003年には約9000人に迫る異常な増え方を示した。その実態が司法判断や世論にも影響を与えた。

個人の自己破産申し立て件数・原因・動機別自殺者数の推移

 それでも、政治の世界では貸金業界に近い議員や、規制のない米国の企業が金利規制にこぞって反対した。しかし、多重債務被害を根絶して消費者を守るためには、規制緩和ではなく規制強化が必要だとして、かなり厳しい改正案が作られた。その中心にいたのは後藤田正純議員らや、小泉チルドレンと呼ばれるような若手グループだった。

 ―― 過剰貸し付けや過酷な取り立てがたびたび問題となってきた日本では、1983年に議員立法で施行された貸金業規制法があり、上限金利は経過措置を含め出資法改正で段階的に引き下げられてきた。しかし政治が貸金業法改正などに動いたのは、最高裁判所の判決のためだ。それまでの金利引き下げと異なり、一気に消費者保護に動いた。

グレーゾーン金利

 もともと貸金業規制法には、利息制限法と出資法の上限金利の間にあるグレーゾーン金利を債務者が任意に支払った場合、その支払いを有効とする「みなし弁済」という規定があった。しかし契約約款には、貸金業者と約束した利息の支払いが遅れると、残金を全額一括で支払わなければならないという条項がある。

 2004年2月に、最高裁の裁判官の1人が判決の補足意見で、債務者はこの条項による不利益を避けるため利息を支払っているので、任意とはいえないという見解を示した。さらに最高裁は2006年1月、この条項がある場合には原則として任意性を否定。貸金業者が、みなし弁済を主張するのは困難となった。

宇都宮 貸金業規制法のみなし弁済の規定は、業界側に立つ議員と被害者の間を取って、議員立法で作られた妥協の産物だった。しかも、あまり厳しくすると規制を守らない業者が出てくるという主張に対する、いわばアメ玉として作られた。当初から日弁連は、この規定に問題があると反対してきた。

 1998年に被害対策弁護団が作られ、その翌年に「腎臓を売れ、肝臓を売れ」というひどい取り立てが行われていた実態を告発して、報道もされた。各地の簡易裁判所や地方裁判所で、債務者側に立つ弁護士と業者側に立つ弁護士が争ってきて、ちょうど2002~03年頃に集中して最高裁に上告された。こうした偶然もあって、最高裁も問題をリアルに受け止められる環境だった。

最高裁で負けて国会で

 ―― ところが2004年の貸金業規制法改正では、金利を下げるとヤミ金業者が増えるとして金利規制が見送られた。その3年後に見直しが定められ、2007年1月が期限だった。 2005年3月に金融庁総務企画局長の私的懇談会として「貸金業制度等に関する懇談会」が発足し、金利規制を巡る論争が始まった。

宇都宮 貸金業界は、不利な最高裁判決をひっくり返そうと、国会や政党に働きかけて、グレーゾーン金利を認めさせるような法改正をやろうとした。2005年9月の衆議院選挙では、「郵政民営化」が争点とされ自民党が圧勝。基本的に、自民党の中では貸金業者の側に立った議員が主流で、どちらかと言えば政治の世界で主張を通すのは厳しそうだと思った。

 ―― 宇都宮弁護士らは懇談会のメンバーにはなれなかったものの、当時、日弁連から弁護士資格を持つ任期付き公務員として金融庁課長補佐になった森雅子参議院議員を通じて「金融庁対策」に乗り出した。その懇談会に、内閣府の金融担当政務官だった後藤田議員が毎回出席するようになった。

宇都宮 規制強化に反対する側の論理は、金利は自由競争で決められるべきで、金利の規制は消費者保護につながらないというものだ。所得の低い人はリスクが高いから借りる金利が高いのは当然で、金利を低くすると貸す人がいなくなり、所得の低い人がお金を借りられなくなると主張した。自由競争に任せた方が貧しい人もお金を借りられるし、金利を規制するとヤミ金が増えるという論理を展開した。

 米国のように金利規制そのものを取り払って自由化すべきだという学者も出てきた。現実に米国は金利規制を自由化しているので、低所得者に貸すペイ・デー・ローンの金利は700~800%。日本で言えばヤミ金になる高金利が存在する。懇談会には米国企業の社長が出席して、米国はいかに素晴らしいかと繰り返した。ところが米国は年間200万件の破産がある。後藤田議員が「米国のような社会にしたくない」と言うと、黙ってしまったと聞く。

 後藤田議員をバックアップしたのが、当時の与謝野馨金融担当大臣。自民党金融調査会の「貸金業制度に関する小委員会」の委員長や、金融担当副大臣なども比較的、業界寄りではなかった。それまで自民党には、金利規制を緩和しろと、業界の論理そのままを言って主導権を取って法改正しようとする議員もいた。しかし彼らは自民党の執行部にはいなかった。業者とつながりのない議員が冷静に考えて、これは何とかしなくてはいけないと動き出した。

金利規制は消費者に不利か

 ―― 貸金業に必要なのは規制か自由か。金利を巡る論争に決着をもたらしたのは、事実やデータに基づく主張で論破していったことだという。

宇都宮 金融庁の懇談会で金利引き下げの方向で結論が出た後、自民党金融調査会の貸金業制度に関する小委員会でも論争が始まった。そこでも若手グループが我々の味方になった。いろいろ事実を精査していくと全然違うことに気づいて、最終的にあまり説得力を持たなかった。

 「金利規制を強化すると借りられない人が出る」という論理は、客観的なデータによる裏づけが乏しかった。例えば、上限金利を下げれば借りられる人が少なくなると主張したが、貸金業の個人信用情報機関のデータベースに登録されている人数は1991年に1124万人だったのに対し、2006年には 2224万人に増加。それまで金利を下げきて顧客が少なくなったかというと、事実は逆だ。彼らは、その理由も説明できなかった。

 

利用者が増えているのは、金利を下げた分、返済能力のある人が増えている面がある。抽象的に考えると、リスクに応じた金利が必要という論理で規制は好ましくないと言うが、実はそう単純ではない。低所得層は高利であっても仕方ないという論理は、借りる側から見れば、もともと返済能力がないので破綻しないように、またほかから借りるしかない。だからすぐに多重債務になってしまう。低所得者が高利で借りたらすぐ破綻してしまう金融商品は、借り手のことを全く考えていない。

 米国で起きた信用力の低い借り手向けの住宅ローン(サブプライムローン)問題も同じだ。当初は金利を安く抑えていても、段階的に金利が上昇する仕組みだ。まともな金融商品は、借りる側が長期的に住宅を持てる住宅ローンでなければならないのに、返済能力を無視して将来の不動産価格の値上がりで対応しようとした。不動産価格が下がると、自分の収入では払えない。それが不良債権となり、世界的な信用不安につながっている。借りる人の生活を破壊するようなことであれば、社会的な害悪であって有用性はない。

米連邦取引委は賠償訴訟で被害者に配当も

 ―― 多重債務者となって生活が崩壊する事例を数多く目の当たりにし、かねてから消費者保護の必要を訴えてきた宇都宮弁護士。消費者保護を徹底するためには、具体的な権限を集約した消費者庁を作る必要があるという。

宇都宮健児(うつのみや・けんじ)氏
1946年生まれ、1969年東京大学法学部中退、71年弁護士登録。日本弁護士連合会の消費者問題対策委員会委員長などを経て、全国クレジット・サラ金問題対策協議会副代表幹事に就任。KKC事件やオレンジ共済事件など巨額詐欺事件の被害対策弁護団長のほか、地下鉄サリン事件被害対策弁護団長、オウム真理教犯罪被害者支援機構理事長を務める。著書に「消費者金融実態と救済」(岩波新書)、「多重債務被害救済の実務』(編著 勁草書房)など。

宇都宮 日本の行政の仕組みは、経済をいかに発展させるかが軸にある。財務省や経済産業省をはじめ、それ以外の省庁も基本的には産業育成という観点で行政を担う構造。いわば経済至上主義の産業育成官庁しかない。

 日本の行政の仕組みは、業界を取り締まるために、監督官庁が許認可権限を持つ。悪徳業者が登場すると、許認可権に基づいて立ち入り調査や行政処分をしたり、免許剥奪もしてきた。許認可権限を行使する結果として、悪徳企業から消費者を守れるという発想がある。そのため直接的な消費者保護よりも、産業育成省庁が許認可権限を行使すれば、結果として消費者の利益が守られるというわけだ。

 一方で、消費者の権利を守る省庁として、内閣府の国民生活局がある。ただ、これは調整官庁であって具体的な権限はない。しかも許認可を受けて詐欺商法を始めようとする企業はないから、結局取り締まる官庁がない。唯一あるのは犯罪として取り締まる警察。どうしても対策は後手になる。

 地方公共団体が設置する全国の消費者センターには100万件を超える具体的な相談が集まる。にもかかわらず、消費者からの相談を受け付けたり、市販商品のテストを行って危害情報の提供やメーカーへ改善要請をしている国民生活センターは、独立行政法人改革の中で、縮小すらされようとした。

 ところが、米国には連邦取引委員会(FTC)という組織があり、あらゆる悪徳商法に関して立ち入り調査や業務停止権限を持つ。しかも被害が生じた場合は、FTCが原告になって損害賠償請求を行って被害者に配当するという手続きがある。日本には、こうした行政機関がない。

 薬害事件を見ても、厚生労働省は薬害の被害者を守る省庁ではない。官僚OBが業界に天下りをしているため、製剤企業を守るような形になる。農林水産省も、消費者被害を取り締まるという機能よりも、食品を生産する産業の擁護が優先し、どうしても消費者保護という観点では不徹底になる。

 しかも業界で不祥事が起きたのをきっかけに、省庁はさらに権限を拡大しようとする。これは全く筋違いだ。消費者被害の救済のために権限を行使する省庁が日本にないことが被害を拡大させている。

 ―― 金利を巡って自由か規制かと続いた論争は、消費者庁設置構想を巡る賛否の論争に広がりそうだ。決着をつけるのは、現状の消費者行政に問題がないのか、あるのかという事実しかない。

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カテゴリー: つぶやき

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